ブログ開設について

弁護士、つまりとりわけビジネスローヤーのマーケティングというのは、本当に狭いと思います。だいたい、弁護士になって4,5年でアメリカを中心に留学して、現地の法律事務所で客員弁護士やるとか、最近の若手なら任期付公務員をやるとかです。あとは専門の法領域を決めて論文書いたりセミナーやったり。ビジネスローヤーの業界には、専門性をきわめて優秀な先生方はたくさんいると思いますが、それは就職した共同事務所の事務所ブランド集まってくるクライアントと特殊案件にめぐまれた結果としてそうなる側面がある部分が往々にあって、別に同じ機会に恵まれればそれ以上に能力を発揮する弁護士も全国にたくさんいると思っています。

 

私は、20代後半で企業法務に関心を持ち始め、留学したり、大手事務所に所属したりしてみましたが、それはそれで得難い経験はあるものの、企業法務でやっていくうえで、弁護士には、ノウハウ的に個人を中心とする弁護士と企業中心とする弁護士の区別はあると思いますが、それ以外の極端な専門性の色付けはいらないというのが私の持論です。経済法規の解釈パターンはどれも同じなのに自分から専門領域を狭めて仕事する弁護士が楽しいとは思いません。弁護士が楽しくなければよいサービスも提供できません。

 

所属弁護士個人の総合知識に価値をおかず、事務所として各専門弁護士をそろえるビジネスローヤーのマーケティングは、歴代のビジネスローヤーが長年クライアントを囲いこむために考案した枠組みであり、これからも時代に合わせてエスカレーションしてくことでしょうが、それはそちらの都合として、私は、この手法に過去翻弄されながら感じた違和感に忠実に従い、既存の枠を利用しつつも(さすがに支援者を得るために存在自体は認知してもらう必要がありますので)独自の思想に基づいて情報発信を行いたいと思います。またクライアントの皆様におかれましても、ご依頼のビジネスローヤーの背景について思いを致す材料にしていただければと存じます。